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小沢カオルの眼流「豆柴小次郎」

HOME > 眼流 豆柴小次郎 > 二日間だけの犬
2006.11.23

二日間だけの犬

犬を好きになるきっかけは、もっと前にあったけれど、初めて犬に触れたのは、小学1年生のとき。
母の自転車の後ろに乗っていて、か弱い叫びを耳にした。
声をたどると叫びの主はドブの中で、真っ黒になってもがいている、生後まもない子犬。
母は子犬を救い上げ、紙袋に入れ、私に渡した。
家に着くまで、しっかり抱いていて、と。

ごわつく紙を通じて、子犬の動きが伝わる。
突然閉じ込められて、何もかもが不安で、必死に紙を掻いている。
案外するどい爪が、私の腕を刺激する。
人間以外の生命に初めて触れた。
人間以外の生命もこんなに激しいことを、初めて知った。
助けたいと思うと同時に、戦慄もした。

家に着いて、ヘドロを洗い流すと、驚いたことに黒い子犬は、白い子犬だった。
ミルクをあげたり、暖めたりしたのだろう。 覚えていないけれど。
病院にも連れていったと思う。
次の日、子犬は元気で、私は安心して学校に行った。
家にもう一つ、動くものが増えたことで、世界が変わったような気がしながら、一日を過ごした。

その翌日。
起きて、階段をくだり、台所に入り、家族におはようと挨拶をすると、母が言った。
「子犬、死んじゃったの」
お腹に虫が入っていて、助からなかったという説明だった。
私はなぜか驚かなかった。
そうなる予感があった。 おとといと昨日だけが特別な日だったのだ。
特別はそんなに長くは続かないものだ。

でも、紙越しの爪の感触を覚えている。
あんなに必死で動いていた命。
何を境にして、急に消えるのだろう。
ああして躍動していたものに、もう二度と触れられないと知って、私は深く沈んだ。

今回、崖っぷち犬のニュースを見ていて、この時のことを思いだした。
遠吠えをしている犬を見て、なんとか生きようとしている犬を見て、あの子のことを思いだした。
真っ黒だった、小さい白い犬がいなかったら、私は動物にも命があること、ひいては他人にも命があることを、感覚できなかった気がする。

惰眠をむさぼる小次郎様の横で、私は崖っぷち犬や、2日間だけの私の子犬や、多くの捨て犬や、虐待されている犬のことを、ずっと考えている。

画像 nemuri049.jpg

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コメント

短かったかもしれないけど、
命の最後に暖かい家族に囲まれて、
とても幸せだったんじゃないかと思います。

投稿者 みさー : 2006年11月23日 17:02

 貴重な経験されましたね。このことがきっかけで犬好きになって、今に繋がっているんですね。そして、現在こうして交流できるようになりましたから、その子犬ちゃんに感謝しています。

 今回の記事で、違う小沢さんの一面があきらかに!より、好感がもてる方だと思いました。これからもヨロシクです。(*^_^*)

投稿者 horitaka : 2006年11月23日 18:01

その仔犬ちゃん、長く生きられない運命だったとしても、体を綺麗にしてもらって、ミルクも飲ませてもらって、暖かい場所で過ごすことができ、そして天国へ旅立っていったこと、それだけでじゅうぶん幸せだったことでしょうね。
天国から「あの時はありがとう」って言ってくれているような気がします。

崖っぷち犬、ずっとドキドキハラハラしていたのですが、無事救助されて本当によかったです。
飼い主希望も殺到しているという話なので、これから飼い犬として幸せになってくれたらいいなあと思いました。

投稿者 ママ : 2006年11月23日 18:04

なんとも切ない思い出ですね。
その分小次郎君を幸せにしてあげて下さい。

投稿者 石神 : 2006年11月23日 21:11

最近動物関連のニュース報道をよく目にしますね。
目を覆いたくなるような凄惨なモノから、胃の痛くなるような救出劇・・・。
犬達だけでなく、食べ物不足で里に降りて来た小熊に対する扱い等も「当事者」で無いワタシが勝手な事を言える立場ではないのですが、イロイロと考えさせられますヨ。

でも、言える事は只一つ。
同じ命は存在しない。故に「代替」はきかない、という事。どんなイキモノにも相対して目を逸らすべきではない、というのがワタシの持論です。

投稿者 GURO助 : 2006年11月23日 22:22

白い子犬は人の優しさを知り、手のぬくもりに触れる事が出来たんだね…
それは犬たちにとって、何よりも幸せなコト。
崖っぷち犬の里親候補が何十人も…
つまり何十匹もの保健所にいる犬が、今回助けられると信じたい…
犬を捨てる?虐待する? フザケンナ……
感情的になってすみません… でも、このまま書き込みます。

投稿者 ハチJr. : 2006年11月24日 00:28

目の前の死ってすごく心に残ります。
命の尊厳を知る、というか。

そこをきちんと知る、伝える、思い出すことって、すごく大切なことだと思います。

最近の痛ましいニュースを見るにつけてそう思います。

投稿者 かぷり子 : 2006年11月24日 06:37

小さい頃、そんな経験されたんですね!
命の尊さは計り知れないです。
ベッドで丸まって寝ている小次郎君の寝顔、穏やかですね・・・。

投稿者 しばお : 2006年11月24日 09:28

私も子供の頃、同じような経験がありますけど、悲しい事に、うちの親は助からなかった子犬の後、また自分が悲しい思いをするのが嫌だと言って見てみぬふりをするようになってしまいました。そんな大人が日本には多いような気がします。

動物を捨てる人、虐待する人がいる事実、そんな動物達の命を助けようとするときの痛み、そういう全てを受け入れる強さを持てる人が増えていくよう願う私にとって、今日のお話は心を打ちました。

とりあえず、自分の犬が幸せそうに眠ってるのを見るのはいいものですよね。

投稿者 くれもんた : 2006年11月24日 10:53

実はオレはペットショップの犬が嫌いです
いや、正確にはペットショップでショーケースに入れられてる犬を見るのが嫌いなのです
普通ペットショップに居るのは子犬だよね
まだまだ母犬と一緒に居て良い筈!
でも買われてった子はまだいいよ
買われなかった子の末路を聞いてしまったら、可哀想で見てられましぇん(つД`)

投稿者 4410 : 2006年11月24日 11:26

犬もそうだし人もそうだけれど、命ってはかないものですよね……
だからこそ、大切にしなきゃいけないな、と
お別れの日が来ても、後悔することのないように
精一杯愛してあげなきゃいけないな、とよく考えています。
ぐっすりと眠ってる小次郎ちゃん、かわいい〜〜。

投稿者 ミユミユ : 2006年11月24日 14:16

カオルさんの犬に対する思いは、こんな原体験から来ていたんですね。4410さんが言われてるように、私もペットショップのショーケースに入れられてる犬を見るのが大嫌いです。それを「かわいい〜。」なんて言って見ている人を見るのが、もっと嫌いです。犬の購入の仕方、変えるべきだと思います。崖っぷち犬の元の飼い主さん、どんな気持ちでニュース見てたんでしょう。話題になった犬を助けるだけじゃなく、不幸せな犬がこの世からいなくなるといいのにな。小次郎君の幸せそうな寝顔に、癒されました。

投稿者 文左衛門 : 2006年11月24日 16:14

>みさーさん
 そう言ってもらえると、うれしいです。
 ありがとう。

>horitakaさん
 あらあら、恥ずかしい!
 でも、こちらこそ、よろしくお願いしますね(*^ ^*) 子供が嫌いな犬も多いですが、子供にとっては動物に触れることって、とっても大切なことだと思いませんか?

>ママさん
 ネコちゃんを預かったり、ナナさんを助けたり、ママさんのことは本当に尊敬しています。
 頭で考えるのと、行動は別物ですよね。
 少しでも不幸な子がいなくなりますように。
 崖っぷちの子も、幸せになりますように。

>石神さん
 はい。そうします。
 小次郎、ちょっとは幸せだと感じてくれているかな?

>GURO助さん
 本当に、本当に。私もまったく同じことを考えます。
 熊と人だって、本当は棲み分けができていたのに。
 当事者じゃない方が、客観的に見られることもあるはずですよね。

>ハチJr.さん
 理性ではなく、感情的な意見が欲しいんです。
 ありがとうございます。
 以前の阪神の震災で飼い主をなくした犬にも、里親候補がたくさん現れたそうです。
 でも、震災犬以外の引き取りは拒否する人が多かったとか。
 自分を美談で飾りたいだけの人に、犬を可愛がる資格は与えたくありません。

>かぷり子さん
 白い子犬は、初めて触れた生であり、死でした。
 あの子の犬生の中に、幸せはちょっとしかなかったかもしれないけれど、私の中には、大きなものを残してくれました。

>しばおさん
 命は地球より重いというスローガンより、あのちっちゃな犬の存在の方が、重みがありました。
 小次郎の寝顔も、ずっとこのまま、穏やかでいられるように努めます。

>くれもんたさん
 私もそういう強い人になりたいのです。
 だから動物好きにはとても辛い、虐待や捨て犬の話にも目を背けないようにしているつもりです。
 でも実際の私は何も行動していない…
 こんなことでいいのだろうか、私は…

>4410さん
 外国では日本のようにケースに入れて動物を売るのは、法律違反だそうです。
 日本人の「小さいもの好き」が加速させている、あの販売方法…そろそろやめてほしいです。
 末路も…ペットショップの人間が嫌いになりそうです。

>ミユミユさん
 本当ですね。
 動物を飼うということは、その子の病気も老化も死も、全部引き受けるということですからね。
 その時に私たちも後悔しないよう、そして犬も私たちに会ったことを後悔しないように、愛して愛されましょうね。

>ブンちゃん
 来年の6月から、動物の販売が厳しくなるそうです。
 でもあのケース販売はなくならないんでしょうね。
 2ヶ月未満の子犬が一人で新聞紙で遊んでいるのを見ると、たまらない気持ちになります。
 崖っぷち犬は、山で暮らす野犬だったみたいですね。
 あの近辺に住む人が、普段野犬をどう接していたのかが気になります。
 邪魔者扱いしていて、ああいう事件の後だけ「飼いたい」と言っているのなら…ちょっと…

投稿者 小沢 : 2006年11月24日 22:25

ブログ読んでて泣いてしまいました。
せつなすぎます。。。

私もたくさんの動物の死や別離に耐えられなくて、悲しい想いをたくさんしました。
もう2度とこんな想いしたくないって思ったけど、現代のすぐ人を傷つける、命を大切にしない若者野郎たちにも、そんなせつない想いを幼い頃してほしかったなって思いました。

そうか。小沢さんの冷静さはこーゆーことから蓄積されていたんだな^^

投稿者 おりー : 2006年11月25日 00:56

自分ができることからでいいんではないでしょうか。このブログだってそのひとつになっているし、小次郎様を愛するのも大きな事だと思います。

私も特に表立った活動はしていないですけど、怪我をした小動物や迷い犬、捨て猫にはよく出くわします。そんな自分に与えられた、助けるチャンスをひとつずつやっていけば、それを見た周囲の人にもいい影響を与えられると思うんです。

例えば、車に轢かれたお母さんポッサムのポケットに赤ちゃんを見つけたとき、その写真を何人かに送ったんですよ。それだけで、動物を犠牲にしないように注意して運転するようになってくれた人もいましたから。

カオルさんのブログは腹を抱えながら毎日読んでますし、友達にも紹介してます。たまにはコメントいれますので、よろしくお願いしますね。

投稿者 くれもんた : 2006年11月25日 10:35

久しぶりに来ましたよん。
今頃ですがレスです・・

たった二日間だったかもしれないけど、その子にとっては温もりと愛情を感じた幸せな二日間だったと思います。
とても短い命だったけど、小沢家の一員として大切にされてきたんだからね。

命の長短に幸せの定規など無いのです。      
全てのペットは、最期まで飼い主の愛情を感じながら生涯を終えて欲しいと私は思っています。

PS.
私はペットショップで、一部の犬猫に付いた札の”特価”という表示を見るとすごく悲しくなります・・(>_

投稿者 ゆうた : 2006年11月26日 13:07

>おりーちゃん
 おりーちゃんもご両親も、よく動物を拾ったりもらったりしているから、そのぶん悲しい思いをたくさんしたんだろうね。
 でもそれだけたくさん、動物を幸せにもしてあげたんだよね。
 ペットブームの陰で、同じくらい、動物虐待も加速してると思うんだ。
 個人にそれを止める力はなくても、その事実から逃げない人が増えれば、少しずつ変わっていけるかな?

>くれもんたさん
 マジメなことを書くのは、気恥ずかしいような感じもあったのですが、くれもんたさんのコメントでそれが吹き飛びました。
 またこういったことも書こうと思います。
 このブログも何かの活動の一つになってるって、教えてくれてありがとうございます。
 
 ポッサムの話、そういう警告の仕方もあるんですね。
 悲しい話も切ない話も、無駄にしないようにしていきましょう…

>ゆうたさん
 ゆうたさんと一緒に生活している、たくさんのペット君たちは、大きな愛情に包まれて本当に幸せだと思います。
 お互いに、なくてはならない存在ですもんね。
 飼われる動物の全てが、そうでありますように。
 飼われていない動物の全てが、その動物本来の生き方で生きていけますように…

投稿者 小沢 : 2006年11月27日 11:58

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