時代と差別意識
映画の時代設定は昭和56年。まだ"バリアフリー"という言葉もなく、世間の誰も 盲導犬(噂を聞いてはいるものの)を見たことはない。実際に駅で、レストランで、息子の入園を希望する幼稚園でさえも、初めて見た盲導犬ベルナと 飼い主のしずくを見た社会の目は冷たい。
「ほかのお客様のご迷惑になるので」「前例がないので」。
職務を忠実に遂行する盲導犬ではなく、"人間と区別される動物"としての犬としか ベルナが認識されないもどかしさに、しずくは苛立つ。
人生の半ばで視力を失った苦しみに加え、社会からの偏見と差別も しずくを待ちかまえていたのだ。
盲導犬や介助犬など、障害者の社会参加が一般的になっている現在からはちょっと 考えづらい。すでにそんな偏見が満ちあふれていたことを忘れてしまっていることに 気づかされる。未だにこの社会にはあらゆる偏見や差別が蔓延っているにもかかわら ず…。 |